先週末、熊本県阿蘇市で開催された2010 JNCC全日本選手権クロスカントリー第2戦グリーンバレー森羅を見てきました。JNCC公式ムービー(続きにあり)もアップされたので、僕自身のクロスカントリー初観戦レポートを書いてみます。そのままレースを見た感想を書くこともできるのだけど、読んでいる人の中には絶対「ん? クロスカントリーって何?」という疑問を持っている方がいるはずなので、ある程度前フリをしておきます。興味無い人は読み飛ばしてね(はぁと)。※5月10日追記:ちょっと長いバージョンに差し替えてみました。


エンデューロとクロスカントリーの違い?

最初に九州で全日本クロスカントリーを観戦できる、という話をもらった時に僕が真っ先に思い浮かべたのが、長年自分の中で消化不良のまま残り続けていた「クロスカントリーとエンデューロの違い」についてだった。はっきり差別化ができている方は「何をいまさら」と思われるでしょうが、僕にはいまだにこれが正確に分類できてなくて気持ちが悪かった。これまで自分の中ではどうしていたかというと……

サーキットや一部地域を封鎖して行われる耐久オフロードレース=エンデューロ
オンタイム制ルールで行われるオフロードレース=オンタイムエンデューロ

というかなりてきとうな認識で分けていた。でも、全日本選手権エンデューロには「オンタイム」なんて付かないし、世界選手権でもそれは同じ。うーむ。それならオンタイム制エンデューロだけをエンデューロと呼べばいいんじゃないの? とも思うけど、EnduroはEndurance(耐久)という単語から来ている言葉だし、サーキットを長時間周回する耐久レースをエンデューロと呼ぶのも当然間違いじゃない。

一方でCross-Countryという言葉を広辞苑第六版で引いてみると「原野・丘陵・森林などを横断するコースで行う競争。断郊競走」と書かれている。モトクロスという単語も元々は「Motorcycleで行うCross-Countryレース」という言葉を短縮して作られたものだし、広義で捉えればオフロードバイクレースはほとんどがクロスカントリーレースということになってしまう。ますますこんがらがってきた。

アメリカ方式によるエンデューロ=クロスカントリー

そう、単語本来の意味で正確に定義しようとするのは無理があるし、それこそ意味がない。「クロスカントリー」は競技形態を示す言葉ではなくレースジャンルの固有名詞と考えればOK。つまり、JNCCはアメリカのアメリカ方式によるエンデューロ、GNCC(Grand National Cross-country Championship)の日本版と素直に受け止めるだけで良かったのだ(実際、JNCCはGNCCと親善提携を結んでおり、毎年アメリカからトップライダーを招致したり、逆にJNCCのトップライダーをGNCCに送り込んだりと交流も盛ん)。

じゃあ、そこいらで開催されている「なんとか8時間」ってエンデューロもアメリカ式に近いからクロスカントリーって呼び変えた方がいいのか? それは、特別アメリカ好きとかGNCCファンの人が「自分はクロスカントリーレースに出ている」と個人的に思ってればいいことで、「特にこだわりがなければもうエンデューロでいいじゃん」というのが僕の見解。

本場のBBQソースとBBQグリルを使って焼くBBQがJNCCのクロスカントリーだとしたら、エバラ黄金のタレで焼いちゃう鉄板BBQが「なんとか8時間」とかのエンデューロ。スタイルが違うだけでどっちも美味しい。これでなんとなく分かっていただけただろうか。

↓下は今年のGNCC、その下は昨年のJNCC Rd.6 AA-GPの模様



ここはニュージーランドか!?

前フリが長くなったけど、ここからはようやく僕が見た全日本選手権クロスカントリー第2戦グリーンバレー森羅の話。

開催地は熊本空港からレンタカーで1時間ちょっとの場所に作られた阿蘇観光牧場特設コース。どれだけの敷地面積をレースに使っているのかは正確には分からない。今回、ジャンキー稲垣がチャーターした二人乗りヘリコプターから空撮出来るというとんでもない機会に恵まれたのだけど、上から見てもどこからどこまでがコースかさっぱり、という感じの広さなのだ。下の画像が全体のコース図(クリックで拡大)。



雰囲気はひとことで言うとニュージーランドのトレイル。いや、行ったことはないよ? それでもニュージーランドってきっとこんな場所なんだろうなー、と南半球に想いを馳せちゃう程のロケーションなのだ。なおかつここが重要なポイントなんだけど、野焼きされたために実に官能的な丘陵のうねりがあらわになっており、コース部分に露出した黒土も見るからにグリップが良さそうと来ている。見ているだけでライダーに「ZENKAIで走りたいZE……」と思わせる魅力に溢れているのだ。場所によっては120km/hものスピードに達するというから、日本離れしたハイスピードクロスカントリーコースという看板にも偽りはない。

実は今回、土曜日にコースを試走することが可能なのを知らずに前日夜入りの予定を組んでしまって死ぬほど後悔した。金夜入りしてればきっと誰か優しい熊本人がバイク貸してくれただろうに!(他力本願) こんなコースを地元のレースシリーズで年4回?も走れる九州勢は幸せ過ぎるだろう……。

クロスカントリーは自分で出るもの!(またか)

レースの展開についてはJNCCのサイトで公開されているラップチャートなどを見れば分かるし、各専門誌にジャンキー稲垣がレポートを寄稿するはずなのでそちらをお楽しみに。僕は今回もCanon EOS Kiss X4で動画を撮影してみた。

でも、どんなメディアにせよ、グリーンバレー森羅のすべてを収めようとするのは並大抵のことじゃない。僕が見たのはたぶん全体の1/100にも満たない世界だろうけど、「野山を駆け巡る」という意味でこれほどクロスカントリーらしいコースはかつて見たことがない。エントリーしたライダーたちだけが、その全貌を見ているし、それぞれに起きたドラマ・出来事を誰よりも知っている。結局、オフロードレースにおいて究極の取材とはそのレースに出ることなんだよなぁ(バックオフのキース宮崎も出場してました)。COMPクラスにせよ、FUNクラスにせよ、このレースを走ることが出来た全員を心からうらやましく思った。

そうそう。グリーンバレー森羅はオレンジクロスオーバーKTMカップが併催されていたこともあって、KTMジャパン社長のMichael J Schano氏も来場していた。レース前はKTMライダーたちに気さくに声をかけ、ゴール地点では乗っているバイクのメーカー・クラスに関係なくフィニッシュしたライダーたちを祝福していたのが印象的だった。オーナーからしたらこんなに嬉しいことってないよな。僕も最後に「オツカレサマデシタ」って声かけられたよ!

なんちゃってMOTO MAGAZINE風を目指そう! ということで、古いNikonの50mm/f1.4をマウント介して装着してボケまくらせてみたら、ボケ過ぎてなんだか分からない映像がたくさん撮れていた……。そして肝心の空撮にいたっては、カメラを固定していた三脚が操縦系に干渉して一時操縦不能状態になるという事態が起きたため(これは相当エキサイティングだった)、ストラップなしのカメラを片手で支えることとなり、当然のように手ブレまくりでほとんど使えなかったことをここにお詫びします……。次は失敗しないぞ!(あるのか)

One Response to “DirtNPが見た「2010 JNCC全日本選手権クロスカントリー第2戦グリーンバレー森羅」”

  1. よっさん より:

    アップ待ってました!!
    来年は走って下さい!バイクお貸ししますよ(誘惑!?)
    直接お話しできなかったのが残念です。来年開催時お会いしたいですね!楽しみです。
    噂ですが、そう噂ですが、来年はスケールアップする事だけは確実?ですから・・・
    私ももう一度ちゃんと走れるように心を入れ替えて精進します!
    あぁ来年が待ち遠しい!!!

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