本日、第37回東京モーターサイクルショーのKTMブースにてKTM初の市販電動バイク2車種が発表になりました。その名も「フリーライド」。来るべきオフロードバイク新時代の幕開けです。


プレスカンファレンスの動画も撮ったしウダウダ書こうかとも思ったけど、こんだけメーカーから熱いメッセージ書かれたらもう全部おっぴろげてみんなで読むのが一番でしょ。雑誌屋さんたちごめんなさい。インターネッツ時代だからみんなで共有します。以下KTMのプレスリリース全文 🙂 。残りの写真は一番下にあります。クリックするとドでかくなるので、じっくり見まくってください。

“フリーライド”がオフロードとスーパーモトの未来を切り拓く

KTMが“ゼロエミッション”モーターサイクルの第1号プロトタイプを公開したのは、2008年10月であり、ウィーンの技術開発研究所、“アーセナル・リサーチ”とのコラボレーションの結果であった。それから約1年半後、ザルツブルグから東北に約50kmに位置する街、マッティングホーヘンのスポーツモーターサイクル・メーカーは、量産間近の電動モーターサイクルを発表する。2010年東京モーターサイクルショーには、量産段階にごく近い2種類のプロトタイプを出展。KTMは、“Ready to Race”のスローガンの下、これから約1年半というタイムフレームの中で“フリーライド”と名付けられた革命的なモデルの市販バージョンを完成させ、21世紀にふさわしいモーターサイクルスポーツのあり方を提唱する。

オフロードモーターサイクルの世界的トップメーカー、KTMは、電動ゼロエミッション・モーターサイクルの開発に成功し、ライディングプレジャーと環境保全、そしてサスティナビリティ(持続性)が矛盾せずに存在可能であることを証明した。このプロジェクトを成功に導いた最大の要因は、オフロードモーターサイクルに対する強いコミットメントに他ならない。この地球上にいまだ存在したことのない製品を提供、KTMブランドの最大の強みであるオフロードセグメントのポジションをさらに強固にすることになる。“フリーライド”は、都市部から流出する一方だったモーターサイクルスポーツのトレンドに歯止めをかけ、再び都市部への回帰を実現するポテンシャルさえ秘めている。

A new chance for offroad sport
1) オフロードスポーツに新たな機会を提供

最近では法規制がますます厳しくなるとともに、世間一般の目も同様に厳しくなった結果、オフロードモーターサイクル愛好家が自由に趣味を楽しめない状況が世界的に拡がっている。たとえクローズドトラックや専用ライディングパークであっても、理想的な環境はなかなか得られなくなってしまった。厳格化する法規制、地域住民からの要求、アンチ2輪の世論などの外圧により、エンデューロやモトクロストラックが閉鎖の憂き目を見ている。競技用モーターサイクルが人口密集地域で拒絶される最大の要因は、過剰な騒音である。

オフロードスポーツに新たな機会を創出するには、KTMが提案するゼロエミッション・モーターサイクル以上のソリューションはないだろう。新型ゼロエミッション・モーターサイクルには、KTMブランドのスポーティングソウルとレーシングスピリットが余すことなく具現化されている。現行製品ポートフォリオにも完全にフィットし、同時に長年実現困難と思われてきたスポーツモーターサイクル・テクノロジーを実現させたことにも大きな意義がある。軽量性、スポーツ性、パワーのすべてを持ち合わせ、これを電気モーターで達成する。排ガスの心配がまったくないばかりか、騒音もほぼゼロに近く、姿形は似れども、まったく新しいモビリティが誕生した、と言っても過言ではない。

これに伴い、オフロードスポーツを人口密集地域の近郊で開催する可能性も見えてきた。これまでは絶対に考えられなかった地域にオフロードパークが開設されるかもしれない。自宅から近い場所でこのスポーツマシンに乗る機会が生まれれば、新たなターゲットグループに訴求することも可能になるだろう。

into the future A decisive step
2) 未来への決定的な一歩

ステファン・ピエラ(KTMスポーツモーターサイクルAG最高経営責任者(CEO)):
「 ゼロエミッション・モーターサイクルに採用した電気駆動システムにより、KTMは、モーターサイクル業界と2輪モータースポーツの未来に向かって、決定的な一歩を踏み出すことに成功した。何よりも、モーターサイクルによるエミッションフリー・モビリティという概念は、短期的にも業界内に新たな刺激をもたらすと同時に、まったく新しい展望を切り拓いた。

おかげで我々は、自ら課した使命に応えることができる。KTMは“Ready to Race”をスローガンに掲げ、つねにこれを最新のテクノロジーで達成したいと考えている。今回も、この目標を達成することができたと自負している。また、オフロードスポーツの世界ナンバーワン・カンパニーとして、スポーツの将来を真剣に考え、よりよい未来を築き上げたいと常々努力しているが、今回の開発はこの目標にも合致している」。

オフロードモーターサイクル・セグメントに新たなテクノロジーを採用した理由は、ステファン・ピエラの指摘の他にも次のようなものが考えられる。まず、一般的なe-モビリティとは異なり、このテクノロジーには消費者に直接的なアドバンテージを提供するという長所がある。たとえば、通常のエンジンを搭載するモーターサイクルよりも、気軽にモータースポーツを楽しむことができる。

また、KTMは、“フリーライド”を内燃エンジン搭載モデルと同等の価格で提供する目標を持っている。

Competitive
3) 競争力ある価格設定

新製品が登場しても、高価格がネックとなって当面は販売が伸びないケースが多い。新製品の価格が高いのは、研究開発に莫大な費用がかかるからだけではない。たとえば、電気自動車の場合、バッテリーの高価格が障害となって普及が進まず、排ガスの排出や騒音の発生がないモビリティのポテンシャルが活かし切れない。

KTMは、この課題を解決するとともに、販売開始当初から競争力のある価格でゼロエミッション・モーターサイクルを提供する。

フーベルト・トゥルケンポルツ(KTMスポーツモーターサイクルAGセールスディレクター):
「 “フリーライド”の価格は10,000ユーロ未満になる、と断言しよう。これにより、発売当初から価格競争力の高い製品を提供することができる。世界選手権に参戦する内燃エンジン仕様のエンデューロと同等のポジショニングが可能だ。KTMはまた、テクノロジーにおいてもまったく新たな基準を打ち立てたこともつけ加えるべきだろう」。

for the development process A long journey
4) 開発過程という名の長い旅

オフロード・スポーツモーターサイクルの開発には、数々の困難や障害がつきまとう。戦闘力の高いモーターサイクルは、コンパクトで、軽く、高いアジリティを有していなければならない。過酷な路面に対応し、空高く舞い上がった後は着地の衝撃にも耐えるタフネスを持っていなければならない。スタンディングウォーターやポットホール、川、渓流など、さまざまなナチュラルハザードを克服し、多少のクラッシュは当たり前。エンデューロとは、およそこのようなスポーツである。また、ハードなオフロード走行を終えたマシンは、高圧洗浄機の水圧にも耐えなければならない。

内燃エンジン仕様のモーターサイクルを開発する場合であっても、このようなチャレンジを克服するのは容易ではない。ましてや電気駆動のモーターサイクルという新製品では、実現は不可能と当初から諦めの気持ちに傾いても致し方ないところだ。これまでの電気駆動車の開発には相当な限界があり、オフロードのニーズに応えることなど実現不可能に近く、もしできたとしても商業ベースに乗らず、そもそもコンセプト自体に問題がある、と半ば信じ込まれていたのである。

だが、KTM開発チームは、勇気と決意を持ってこれに挑戦した。開発の“強化策”として、ウィーンの著名研究開発スペシャリストの“アーセナル・リサーチ” – 現在では“AIT(オーストリア技術研究所)”に改称 . の協力を仰いだ。AITは、電子/電気モーターや関連コンポーネントの開発で広く知られているだけでなく、モーターサイクルスポーツにも熱心に取り組んでいる。新たなチャレンジに乗り出すKTMにとって、これほど心強いパートナーは他にはいなかった。

2008年10月に成果が現れ、走行可能なプロトタイプ第1号機が完成した。これを契機に、マッティングホーヘンはゴールポストを遠くに移動させ、量産可能なプロトタイプの製作と取り組むことになる。新たな段階を迎えた開発プログラムには、世界各国から開発スペシャリストやサプライヤーが迎え入れられた。

patente d technology Completely new
5) まったく新しいテクノロジー: 特許発明

“Ready to Race”のスローガンに基づく製品とは、レース参戦可能な製品をいう。これこそ典型的なKTM哲学であり、ゼロエミッション・モーターサイクルはこれを新たなかたちで実現させたものである。ゼロエミッション・モーターサイクルには、KTMならではのモダンかつ堅牢な構造が採用され、ハイクオリティ・コンポーネントが惜しみなく装着されている。このニューモデルにも、長年のモータースポーツ活動で培った経験と勝利の方程式が応用されているのだ。

KTM開発チームとAIT技術陣が共同開発したエレクトロドライブ・テクノロジーは、これまでの技術イメージを覆す新たな基準を打ち立てた。車両重量は100kgに満たないにもかかわらず、そのパフォーマンスは既存の125cc、2ストロークマシンと互角。電動モーターサイクルには、これまでさまざまな問題 – 摩耗、汚れ、防水性、ハンドリング、安全性 – が存在したが、KTMは新たなバッテリー駆動ユニットを発明、この問題を解決した。なお、バッテリー駆動ユニットは、世界各国で特許が認められている。

ジェラルド・キスカ(KTMチーフエンジニア兼開発リーダー):
「競技用モーターサイクルを量産車にするだけでも、大変な労力が必要なことは、敢えて説明するまでもないだろう。電気駆動システムによる車両を創造し、しかも既存モデルと同等のレベルにするには、あらゆる面で既成概念の殻を破らなければならない。

電気モーターを採用するだけでも、モーターサイクル全体のレイアウトを見直す必要があった。メリットだけでなく、デメリットもあったが、新たなアプローチやソリューションを使用しつつ、これまでのノウハウを理想的なかたちで応用して、デメリットをひとつひとつ解消していった。だからこそ、“フリーライド”はKTMプロジェクトそのものと言い切れるのだ。革新的で、果敢で、しかもスポーティな野心に溢れている」。

series ready machines Focus on
6) 量産モデルを視野に捉えて

複数のテストで良好な結果を得た後、ゼロエミッション・モーターサイクル・プロジェクトは、純粋なプロトタイプによる研究開発の段階を離れて、いよいよ本格的な量産開発過程に入る。

マッティングホーヘンのKTM本拠では、量産に向けた課題の克服と製造の準備に向けて、急ピッチで作業が続けられた。2010年東京モーターサイクルショーに出展される2台のプロトタイプは、ほぼ量産仕様と言っていいレベルの完成度を誇る。KTMは現在、約1年半後の市販を目標としている。

ハラルド・プロッキンガー(KTMパワースポーツAG取締役):
「KTMは、革新的なマーケットリーダーという自負があるからこそ、スポーツモーターサイクル用新駆動システムの開発という厳しい仕事とも真正面から向かい合っている。ゼロエミッション・モーターサイクル・コンセプトとは、KTMの中核となる技術開発能力と、まったく新しく、非常に興味深いモーターテクノロジーを融合させることに等しい。初期型プロトタイプでも、このテクノロジーが秘める広範なポテンシャルが示されている」。

7) テクニカル・データ

有効出力 10ps(7.4kW)/6000Umin-1
ピーク出力 30ps(22kW)/6000Umin-1
トルク 43Nm/500Umin-1
最高モーター速度 6600Umin-1
最大バッテリー電圧 300V
最大エネルギー容量 2.5kWh
最高速度 70km/h
総マルチプルファクター 10.5(2.4/4.5)
(プライマリー/セカンダリーレベル)
充電時間 1.5h
車両総重量 90kg
(リムーバブル・トラクションバッテリーを含む)
フレーム 軽量デルタボックス・フレーム、鍛造アルミニウム・コンポーネント、
セルフサポーティング・リア・モノコック
サスペンション 倒立フォーク、減衰力可変ショックアブソーバー(PDS)、
プログレッシブ・ダンピング・システム
タイヤ 21インチ(トライアル・エンデューロタイヤ)
ブレーキシステム 油圧、フロント/リアブレーキ・レバー駆動、
ラジアル・ブレーキシステム、制動圧増力機構(ブレーキブースター)
モーターハウジング 軽合金コンバインド・ドライブ・ケース、
トータル・システム・インテグレーション・デザイン
駆動モーター 半永久的電気シンクロモーター、シュランク-オン-ディスク構造
モーターマネージメント ハイパフォーマンス・パワーモジュール一体型システム、
“ドライブ-バイ-ワイヤー”セキュリティ・マネージメント
トランスミッション クラッチレス・ダイレクトドライブ、ギア駆動、チェーン
トラクションバッテリー プラグイン・バッテリー、リチウムイオン(li-ion)テクノロジー

on the KTM .Freeride“ Questions and Answers
8) KTM “フリーライド” Q&A

Q1: エレクトリック・モーターサイクルが市販されるのはいつ頃か?

A1: 2010年夏より、このプロジェクトを量産前段階に切り替える。同時に、包括的なテストプログラムも実施する。現状の計画によれば、“フリーライド”市販バージョンのデリバリー開始は、2011年夏を予定している。

Q2: “フリーライド”の市販価格はどの程度か?

A2: まだ確定していないが、10,000ユーロ未満を一応の目標としている。この目標は、既存のハイクオリティ・スポーツ・エンデューロと同レベルの価格を実現するため。

Q3: バリエーションモデル登場の可能性は?

A3: “エレクトロ-ドライブ”をオフロード以外の分野に応用する可能性はある。ただし、初期段階においては、経験を積みながらスポーツ性を強調したいので、エンデューロのみに集中する。それ以降は、すでにポテンシャルが高いこともわかっているので、その後は多数のバリエーションが登場することになるだろう。

Q4: “フリーライド”は、一般道でも乗れるのか?

A4: もちろん。通常の道路で使用可能なホモロゲーションを受ける予定。

Q5: “フリーライド”の航続距離は?

A5: 基本的に、航続距離は使用方法や条件によって左右される。たとえば、アマチュア・エンデューロライダーが乗った場合と、プロのモトクロスライダーが本気で乗った場合は、明らかに後者の方が大幅に航続距離が短くなる。オフロードでさまざまなコンディションに対応した場合、1時間程度の走行となるだろう。

Q6: バッテリーの充電に要する時間は?

A6: 90分で100パーセント充電される。モーターサイクルに搭載したままの充電も可能だが、充電済バッテリーと交換する方が手軽で素早く走行を再開できる。

Q7: バッテリーの最大充電可能回数は?

A7: バッテリーの最終仕様はまだ決まっていない。現在採用している製品は、約500回の再充電に耐えられる。これは、エンデューロ・モーターサイクルの寿命に相当する数字である。概して、このセグメントでは、バッテリーの開発はまだ初期段階でしかなく、今後数年内に飛躍的進歩がもたらされる可能性が高い。

Q8: “フリーライド”の登場により、既存の内燃エンジン・エンデューロに終止符が打たれるのだろうか?

A8: 絶対にない、と断言できる。KTMの立場で言えば、新たな駆動テクノロジーは、モーターサイクル市場に第三の波を起こす大きなチャンスである。高度に進化した4ストロークエンジンは、今後も姿を消すことはない。4ストロークがいかに進化したといえども、2ストロークが健在であるのと同様だ。2ストロークは、いまだにコストや効率でアドバンテージを持っており、特にホビーライダーやビギナーライダーには理想的な選択肢である。一方、電気モーター駆動のモーターサイクルは、2輪スポーツの都市部への回帰のきっかけとなると同時に、新たなターゲットグループを開拓する。

About. KTM Power Sports AG
9) KTMパワースポーツAGについて

KTMパワースポーツAGは、モータースポーツ車両の世界的主要メーカー。KTMは、すでに160以上の世界チャンピオンシップタイトルを獲得し、ダカールラリーでも9勝を記録している。KTMスポーツモーターサイクルAGは、レースへの参戦が可能なオフロードおよびストリート・モーターサイクルを開発・製造する。

KTMスポーツカーGmbHは、軽量スポーツカー、X-BOWの設計・開発・製造などを担当し、すでに自動車部門への進出の第一歩を示している。KTMは、グループ全体で約1,400名を雇用し、2008/09年度の総売上高は約4億5,500万ユーロに達する。17の販売会社と5つのジョイントベンチャーを通じて、全世界の約1,400社の独立系ディーラーに製品を供給する。

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