DirtNPが見た「2007 SUGO 2DAYS ENDURO」

Posted by ホッパーちゃん On 4月 - 25 - 2007

先週末の土曜日に日帰りで見に行ってきました「SUGO 2DAYS ENDURO」! エンデューロの世界、特に「おんたいむ制」ってのがどういうもんか良く知らなかったんですが、詳しい人たちに色々教わっていくうちに、そして実際に走ってるのを見ているうちにその面白さの質がなんとなく分かったような気がしたのでした。

長年の疑問を解消するために

SUGO 2DAYS ENDUROを見に行くって話したら、友達に「エンデューロは見るモンじゃなくて出るモンでしょー」と言われた。だよね、そうだよね。それが普通の認識だと思う。でも、どーしても気になって仕方が無かったのよ、「オンタイム制エンデューロ」ってのがどういうものなのか。もちろん、その友達も「オンタイム制」がどんなものか知らなかった。

俺「オンタイム制って何よ」
友「なんか、時間通りにチェックポイント行くんだべ……?」
俺「時間て……誰が決めんだ?」
友「……さァ?」
俺「時間ぴったりに着くにはゆっくり走ったりしなきゃいけないの?」
友「た、たぶん」
俺「つーか、みんな同じ時間に着いたら何を競うんだ?」
友「……走りの美しさ?」
俺「違うだろ……」

エンデューロと言えば、よーいドンでスタート→3時間とか6時間コースをグルグル回って何周できたか競うもの、しか知らなかった。スタートからゴールまで、走ろうが寝ようがウドン食おうが好きなように時間を使っていい、それが俺の知ってるエンデューロ。でも、オンタイム制エンデューロってのは、どうやらそんな風に自由ではないらしい。かといって、常に突っ走っていなければいけないものでもない。??? 意味分からねぇ。どっちなのよ。どこで何を競うのよ、というのが俺の持っていた疑問だったのです。

SUGO 2DAYS ENDUROが初の試みとして「観戦ガイドツアー」をやるって聞いた時、もしかしたら実際に見れば何がどうなってんのか分かるんじゃないかと思ったのでした。正直SUGOだって俺には遠いんだけど、北海道まで行くよりかは近いしね。身近なところでやってるオンタイム制はSUGOくらいしか見つからなかったのです。今回、行きはFREERIDE MAGAZINE号に便乗できたので、眠くて今にも撃沈しそうなミカミ編集長を寝かさないようにしながら色々聞きだしてみることに。そこで分かったこと。

  • 俺の知ってるエンデューロはアメリカだと「クロスカントリー」って言うらしい
  • ミカミさんは「グルグル」と呼んでいた
  • 日本ではJNCCCROSS-1ってシリーズがクロスカントリーの方式を採用している
  • MFJの全日本選手権エンデューロはオンタイム制を採用している
  • 俺は明日レースだし、とにかく眠いんだからはよ寝かしてくれ

結局、途中で「だ、台割が……台割の肌色の部分はまだレイアウチョモ……」とか意味不明な呪文を唱え出したので首筋に手刀を落とし、おとなしく寝てもらうことに。まぁ、現地でレースを見れば分かるだろう。夜も明け始めた頃、車はSUGOのモトクロスコースへと到着したのでした。


▲雑誌の締め切りでヘロヘロなFREERIDE MAGAZINEメンバーを乗せ、ダッヂラムは一路仙台へ。

いつもと様子の違う1パド

到着したSUGOの1パドに降り立ってみると、なにやらいつもと様子が違う。全日本モトクロス開幕の時にはHRCのテントがあった場所にKTMのテントがズドーン。ピットに並んでいるバイクは当然ライトカウルの付いたエンデューロマシン。いる人たちも心なしか年齢層が高く、なぜか体がゴツい気がする。そして、KTMがやたらめったら多い。他にも普段見ないような外車がちらほらあって、パドック回るだけでも新鮮な気持ちに。


▲一体どこからこんなに沸いてきたのかというくらいKTMが。

受付・車検が始まると、チェックをクリアした車両がパルクフェルメ(車両保管)にどんどん送りこまれる。場所はスタート看板の裏。この場所にこんなバイクが置いてあんのみたことないよ……。ライダーは(もちろんメカも)一度パルクフェルメにバイクを預けると、決められた時間になるまで一切マシンに触れることはできない。この決まりは超厳格に守られていたように見えました。なんだか、とっても「聖域」チックな場所なのです。


▲これがパルクフェルメ。日本語で言うと車両保管。SUGOのスタート裏にこんなバイクが置いてあるの初めて見たよ……。

ジョバンニ・サラと握手! できませんでした…

車検が終わるとライダーズミーティングが始まります。SUGOの藤原さんが注意事項を粛々と説明していく。ふと横を見ると、すごいゴツいクシャお……いや、デニー……いや、ジョバンニ・サラが! すげぇ……岩石みたいだ……。ファンタスティック4の岩みたいなヤツを思い出したましたよ。スーツ着てたら絶対に目を合わせたくないタイプだな。でも、遠くから見てると噂どおり気さくな感じの人でした。ジオ(サラのニックネーム)は、前日からスクールやらパーティやらに参加して、日本のエンデューロライダーと交流を深めていた模様。ダースポのジャンキーから聞いたんだけど、全日本ライダー相手のスクールの時、サラは生徒を一般のライダーたちと勘違いしてブレーキターンから教え始めたんだとか。内心、「(えええ、ブレーキターンからやんの!?)」と驚いたそうなんだけど、いざやってるのを見るとジオのブレーキターンはめちゃくちゃ上手い。たかがブレーキターン。しかし、そんな基礎の部分で世界トップレベルとの違いを知ることの方が参加したライダーたちにはズシンと来たんじゃないかなぁと思った。


▲出た! 序盤に皿! 俺はこの人を見ると頭の中で「てれれてれてれてれてれれ~」とゴッドファーザーのテーマが流れます。

いよいよレース開始! 観戦ツアーも開始

FIRST RACINGのブースで初遭遇したMX LIFEさんと話したり、マナさんと話したりしているうちにスタートの時刻が近づいてきた。俺は今回参加した「SUGO 2DAYS ENDURO観戦ガイドツアー」の集合場所へ移動。集まったのは15人くらい。逆光さんが乗るWRを先頭に、参加者はみんな自分のバイクで付いていきます(俺はレンタルしたTT-R125LW)。逆光さんは常にチェックポイント・本部と無線でやりとりし、さらに事前に調査した想定到達時間を参考にしながら全日本ライダー&ジョバンニ・サラの先へ先へと回り込む。観戦ポイントはガレガレの沢やヒルクライムといった難所、エクストリームテストやクロステストといったスペシャルステージ(後述します)などなど。想像していたよりも、すごいたくさんの場所を案内してもらえたので、俺としては非常に満足のいくツアーでした。ある程度、コースのつながりが分かってくると、自分で好きなように移動して観戦したい、という気持ちが沸いてくると思う。しかし、観戦ツアーが使う舗装路はライダーが走るコースでもある。そこでライダーと絡んだり邪魔したり、ということだけは絶対にあってはならない。もし、来年SUGO2DAYSを見たい、と思う人がいたら絶対にツアーに参加することをおすすめします。


▲逆光「えー、左手に見えますのは、かの有名な『すりばち』でございます」とかとか。観光気分で地獄巡り。


▲とあるヒルクライムでセタレ・ヤーマンと遭遇! XTZ125でするすると登っていっちゃいました。

ようやく分かってきたオンタイム制の競いどころ(おそ)

とあるヒルクライムを見たあとに移動したのは「エクストリームテスト」という場所でした。逆光さんが用意してくれた地図にあるXTってのがそう。他にもET(エンデューロテスト)、CT(クロステスト)なんかがある。これらは「スペシャルステージ」と呼ばれる特殊なエリアで、スタートからゴールまでのタイムを競うスプリント区間。その一方で、スペシャルステージとスペシャルステージの間にあるダートや舗装路は「ルート」とか「リエゾン」と呼ばれる。ライダーはルート上をオンタイム(時間内)に走りきり、スペシャルステージでタイムを競う。時間に余裕を持って到着したライダーは、タイムチェック前で時間を潰して調整する。逆にオンタイムに間に合わなければ1分とか10分とか分単位でのペナルティがつく。当然、スプリント区間であるスペシャルステージは1/100秒を競う世界だ。ルートでミスしたら、スペシャルステージでそれを取り返すのは現実的には難しい

つまりどういうことかというと、トップライダーたちにとってルートをオンタイムで走るのは当たり前の第一条件。最終的に順位を決めるのは、「スペシャルステージ上でのタイム」なのだ。

もちろん、ルートをオンタイムで走るのだってラクじゃあない(全日本クラスだし)。藤原さんの説明では、2回ヒルクライムに失敗したらオンタイムが難しくなるような設定、ということだった(キビシー!)。だから、ライダーはルートをミスしないよう安定したライディングで走破し、テスト区間で全力を出せるようにしなければならない。下のムービーを見ればわかるようにXTではトライアル的な、CTではモトクロス的なテクニックが必要となる。競技中は自分しか頼るものはなく、バイクの故障やタイヤ交換もすべて自分でこなす。エンデューロがオフロードバイク乗りとしての総合力が問われる競技、と言われる理由がようやく分かった気がした。自分とレースをコントロールする能力がなければ、どんなにモトクロスが上手くても結果は出せないと思う。


▲全日本クラスのライダーでもこんなんなっちゃうエクストリームテスト1LAP目を……。


▲ジオはこんなふーに抜けて行っちゃいます。ここはトライアルやってる風ライダーの上手さが目立った。

ルールが気持ちいいオンタイム制エンデューロ

最後にカントクがジャンプすることで有名な壁走りコーナーのあるエンデューロテストで観戦したあと、本部へ集合し解散となった。その後、パドックへ行き、ジオのスムーズな前後タイヤ交換を見物。これも15分以内に終わらせないといけない。ある意味、初日終了後のパドックもルートの一部みたいなもんなのだ。すべての作業を終えると、翌日のレースまでバイクはまたパルクフェルメに入れられる……。

日曜日に用事のある俺は、こうして初めてのオンタイム制エンデューロ観戦を終了した。結論としては、最初に友達が言っていた「エンデューロは自分で参加するもんだろ」というところに帰ってきた気持ち。しかし、ちゃんと観戦してSUGO 2DAYS ENDUROがどういうレースか分かって良かったと思う。実際のスピードや、距離や、セクションを自分の目で見ることで、今まで漠然とし過ぎていたイメージがクリアになった。やっぱり俺にはまだ無理! でも、いつか自分でも出るために、どんな訓練とか思考が必要なのかは多少想像がつくようになりました。今はそれだけで十分だなやー。そして、このオンタイム制という「ルール」の中に身を置いて走るのはきっと気持ちいいだろうな、と思う。フリーライドみたいなユルユルした気持ち良さとはまた違う、キッチリと完成されたシステムの一部になりきる気持ち良さ。1年後くらいにはSUGOは無理でも、どこかのオンタイム制イベントに挑戦してみたい。そのためにもミニモト頑張らなきゃ。

デザート

帰りの新幹線に乗る前に、思いがけないデザートを堪能してしまいました。見ているだけでストレス溜まってたので、ホントさいこうだった。景観バリカタ、石少なめ、バンク・アップダウン多め、と俺の中では最上位クラスの林道がゴロゴロしていた(そこを使うローカルたちの意識にもシビれた)。あと、お借りしたTY-S125ロングライドってバイクがこれまたさいこうで、俺の「いつかイワすリスト」にも書き加えられた。良く仙台住んでる人はまともな社会生活を営めるよなー。仕事しないようになるだろ常識的に考えて。正直俺はまだ社会復帰できてないよ……。


▲ローカルに案内してもらっただけあって、ホントにすごい林道だらけ。ぜひまた行きたい。

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